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専任教員&スタッフ
これからの観光として期待されて登場したエコツーリズム。それは「与える負荷を最小限に抑えながら自然環境を体験し、観光地に対して何らかの利益や貢献のある観光」で、いわば観光における「イノベーション」である。 エコツーリズムでは観光客が地域と深くかかわるので、そこにさまざまな相互変容が起きる。このダイナミックな観光を素材にして、地域と観光の関係を考察している。 最近の関心は、地域が自律的にエコツーリズムを生み出すプロセスを解明し、そこから自律的な観光や自律的地域マネジメント実現の仕組みを解明してゆくことだ。それをモデル化することで、他の地域でも活用可能な示唆を見いだしたい。それが創造的で持続可能な地域の実現につながる。 修士・博士課程では、実践に重きを置いたフィールドワーク主体の研究を目指す。そのために、在学中に実際にエコツーリズムや地域マネジメントが進められている現場に出かけ、地域のアクターたちとの交流の中で学びを進める。もちろん基礎知識も事前に十分学習した上で、成果の表現としての研究発表やプレゼンテーションでも腕を磨く。 地域マネジメント研究で何よりも重要なことは「地域」の視点である。地域にこそ事実や知恵があるという思いが大切である。地域での実践と協働の中で、エコツーリズムや自律的な地域のマネジメント研究を楽しむことができる学生との、ダイナミックで創造的な協働を期待している。 | 敷田 麻実 Asami Shikida 担当分野/観光地域マネジメント論 サスティナブル・ツーリズム論
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GSAスケジュールはどのように動作しますか
「現代社会は果たして、未来の遺産を創出できているか?」これが私の問題意識である。 | 西山 徳明 Noriaki Nishiyama 遺産創造論
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シノベイトは何ですか?
「地域課題の解決」。常にこれを研究活動の原動力とし、地域の構成原理を読み解き、現代を直視し、将来を描き、それに対応した仕組みづくりに取り組んでいる。 まち、むら、しま・・それぞれには生活を営む人々がおり、地域が経ている歴史の1ページを描き、子や孫を育て、また次の歴史をつないでいく流れがある。その構成原理を読み解くため、地域を総体で捉え、環境や歴史によって培われた地域の物語りをもとに体系化した地域の文化遺産を明らかにする。そして、その地域の遺産を継承した人が日々の生活のなかでどう関係性を形成するのか。そして将来、継承する人が引き継ぎたいと望む仕組みづくりに取り組んでいる。 その現代の方法論として、ヘリテージ・ツーリズムを適用した持続可能な地域経営のシステム構築ができるのではと考えている。地域を訪れる人や地域を応援する人を、ある時は無意識ではあるが否応なく、ある時は積極的な好奇心への対応、とさまざまなアプローチにより文化遺産を介して地域経営に取り込める仕組みとして、また地域内の様々な生業、産業、文化といった活動等をつなぐ仕組みとして研究を深めていきたい。 これは、多様な価値観と活動を行う人々による目的意識の共有化といった現代の国際社会の運営においても重要な課題であるといえる。ここ観光学高等研究センターは、教育機関でもある観光創造学専攻を含めて、研究者、院生、関係スタッフ、連携する様々な機関や地域の多様さとそれらを連携するシステムは、まさにそれを「地」で行っている機関であると言える。その機関を最大限に活かしながら、活動を行っていきたい。 | 池ノ上 真一 Shinichi Ikenoue ソーシャル・キャピタル論
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観光開発は地域開発の有効な一手段である。しかしそれは、諸刃の剣でもある。 観光開発には、経済効果に加え、住民の誇りの醸成やアイデンティティの再認識を期待することができる。発展途上国においても、その豊かな自然や固有の文化をいかした観光開発が試みられている。しかし、技術や経験、人的資源が不足している国々にとって、その試みを地域の発展に結実させることは難しい。さらには、地域住民の関与なきままに進められる外発的な観光開発や、利潤追求に偏重した「人間不在の観光開発」が、地域の伝統的な文化の変質や地域住民の絆の弱化を招く危険性までも有するのである。 銀行reconcilliationは何ですか? そうした危険を回避し、「人間不在の観光開発」を克服するためには、まず地域住民自身が、損なわれてはならない地域の価値を認識することが重要であると私は考える。それも、地域住民の生活から生み出され、それと一体となって現在まで存続してきた遺産を評価することにより、地域住民の存在を遺産価値に位置づけることが必要である。そのような価値付けは、単なる自然や建造物などの特性を評価したものとは異なり、地域住民自身がその価値の創造主体であり、継承主体であることを明確にするからである。そのようにして価値が認識されて初めて、その価値とともに住民の生活を発展させるような遺産および観光マネジメントに対する指針が得られ、解決すべき課題も明確になる。 途上国における様々な地域は、当然日本とは異なったコンテクストを有する。そのため、日本で行われている方法をそのまま適用しようとしても破綻を招くのみである。しかし、日本が培ってきた遺産マネジメントの理念や目的、方法を選択する際の考え方といった根幹的な部分を共有しつつ、支援することは可能であると考える。 フィールドワークによる実践的な研究を通じ、学院の多くの仲間とともに知恵を出し合い、切磋琢磨しつつ、世界のある地域の人々が少しでもより幸せになったと感じることができるような国際協力を推進できることを心から願っている。 | 八百板 季穂 Kiho Yaoita
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私はこれまで山口県萩市をフィールドに、住民と協力して地域の"おたから"を発見し、それを地域の資源として価値付け、まちづくりに生かすことに取り組んできました。地域住民と相談しながらまちめぐりマップを作成したり、古い民家の蔵の民具を引っ張り出してカルテ化するというような作業に没頭する中で、住む人にとっては当たり前のものでも外の人には珍しかったり、逆に専門家では気づかない、住民の目だから発見できるものもたくさんあることに気付きました。私の研究は、そうして拾い上げた"おたから"をどうすれば訪問者に分かりやすく、住民が解説しやすい物語=ストーリーに組み立てられるかを探求することです。 | 村上 佳代 Kayo Murakami 担当分野/文化資源マネジメント論
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日本が戦後の荒廃から復興し、高度成長期を経ていくにつれて観光の大衆化が起こりました。これにより観光の楽しさを多くの日本人が味わえるようになりましたが、同時にまた「どこの旅館も似たりよったりの料理」「上げ底の土産物」「有名スポットを駆け足で見て回るだけのツアー」「無秩序な観光開発」などに象徴されるような、観光の負の側面も顕著になりました。こうした弊害がもたさられた原因のひとつに、観光をする側は観光をたんなる「気晴らし」としてしかとらえず、観光者を受け入れる側は観光の「経済効果」にばかり目が行ってしまったということがあげられます。 しかし、こんにちでは、そうした観光のとらえ方に対する反省と変化が起こっています。観光者は個性化・多様化し、そこでしか体験できないことにこだわるようになり、うわべだけの観光施設を敬遠するようになってきています。また地域の側も、地域文化に根ざした観光資源の提供や訪問者との交流を重視するようになり、「地域づくり」というトータルな構想において「観光振興」をとらえるようになってきています。このためには、地域マネジメントや文化デザインも視野に入れて「観光」を考えることが必要になります。 さらに今後は、世界的な大交流時代への対応も課題です。これまで日本は、外国からのお客様を迎えることはあまり得意ではありませんでしたが、これからは積極的な受け入れが求められるようになります。そのためには「異文化交流」や「ホスピタリティ」に対する感覚も醸成・洗練されていかなければなりません。 | 松本 秀人 Hideto Matsumoto 担当分野/学術研究員
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